「海洋の温度が上がっているので、海に近いところは、温暖化の傾向が出ると考えられます。」

「なるほど。大気が海洋で温められるということですか」と町会長。

「陸上では昼間気温が上昇し、夜間に気温が低下するのに対し、比熱が高い海面の温度は陸上ほど低下しないためだと思います。」

「海の大気は夜冷えないので、その結果として、昼間の気温が高くなるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。しかし、中高緯度の海洋の貯熱量は低緯度の海洋の貯熱量より小さいので、中高緯度地域の気温は次第に低下すると推定しています。」

「大雑把な考え方は分かりましたが、うっかりして、CO2炭素濃度が間氷期に400ppmに達したことがないということを忘れているのではありませんか」と町会長。

「CO2の温室効果のことですね。」

「おっしゃる通りです。CO2は、ビニールハウスのビニールのように地球を覆っていて、熱を逃がしません。」と町会長。

「確かめたことはないのですが、オゾン層のようにCO2濃度が高い層があって、その層が地球を取り巻いているということはないようですよ。」

「それでは、なぜ、温室効果のような紛らわしい表現をするのですか」と町会長。

「ウィキペディアの『温室効果』には『気温がビニールハウス(温室)の内部のように上昇するため、この名がある。ただし、ビニールハウスでは地表面が太陽放射を吸収して温度が上昇し、そこからの熱伝導により暖められた空気の対流・拡散がビニールの覆いにより妨げられ気温が上昇するため、大気圏による温室効果とは原理が異なる』と書いてあります。」

「CO2が、ビニールハウスのビニールのように地球を覆っているのではないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、大気中に400ppmしかないCO2に気温を上昇させる効果があるということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「しかし、地表の熱で温まったCO2は、対流で上昇し、そこに冷たい空気が入ってくるので、大気中のわずかなCO2が少し温まったとしても、温室効果などないのでありませんか」と町会長。

「それが、そうでもないようなのです。」

「それが、そうでもないと言いますと?」と町会長。

「人工衛星を使って、地表から放射される熱をスペクトル分析すると、CO2が吸収する15μmという波長の赤外線が吸収されて、思いっきり少なくなっているのが分かるようです。」

「なるほど。それでは、CO2の分子が吸収した放射熱は、どうなってしまうのですか」と町会長。

「あらゆる方向に放射されて、周りの空気とか地表を温めるようです。」

「それでは、宇宙に放射される熱もあるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。太陽が毎日照らしているから、地球は温暖ですが、太陽がなくなれば、地球はたちまち冷たくなってしまうと思います。」

「なるほど。CO2は、地表と同じように放射熱を受け取って、放出するということを繰り返しているだけなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。地表とCO2の違いは、CO2は太陽の光をほとんど吸収しないで通過させ、地表から放射される赤外線を吸収するのに対し、地表は、太陽の光を反射したり、吸収したり、赤外線として放射したりしています。」

「それでは、地表には、とても大きな温室効果があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「そして、ビニールハウスのビニールのように地球を覆っていなくても、CO2には周りの空気とか地表を温める効果があるのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

2020/7/28

<ムクドリ64>
僕は雀についてはズブの素人なので、1度勉強が必要だと思い、5月の半ば頃、『スズメ』というタイトルの本は買っておいた。そして『この本を読むべき時が来た』と思った。

この本は一流の出版社から出されているので、著者も雀に関しては一流の研究者に違いない。実際、雀の実態について書かれている初めの数ページ読んだだけで、長年雀を研究してきた人が書いたものに違いないと確信させるものがあった。

その本には、『スズメ属26種のうち、日本には2種がいます。普段みかけるスズメに加えて、もう1種体全体が赤っぽいニュウナイスズメがいます。このニュウナイスズメ、なかなかお目にかかれるものではありません』と著者の頭脳の明晰さが分かるような歯切れがよい説明がされていた。

ここまで読んだ時、『我が家に来ているのは、日本にはいないはずの雀なのだ』ということが分かった。この本を読むまでは、『我が家に来ている移動性の雀は、もしかしたらニュウナイスズメかも知れない』と密かに思っていたので、確認のためウィキペディアで『ニュウナイスズメ』を調べてみた。<続く>

2023/7/11